仮想通貨規制の狭間で揺れるビットコイン　3万ドル維持の道は険しいか？

ビットコイン（BTC）価格は4月18日、前日に一時29,130ドルまで下落したものの、30,000ドルのサポートラインを回復した。しかしながら、米国における規制強化を受けて、この回復が持続可能かどうかはトレーダーたちの間で疑問視されている。

4月14日、商品先物取引委員会（CFTC）のロスティン・ベナム委員長は、バイナンスが意図的に米国の先物および商品取引に関する規則を破っていたと非難した。例えば、同社は、米国市民が取引所で取引を行うための偽装ツールを利用できるようにしていたという。このコメントは、CFTCが3月27日にバイナンスとチャンポン・ジャオCEO（通称CZ）を相手取った訴訟を起こしたことに端を発している。

また、4月14日の米証券取引委員会（SEC）の会合で、ゲイリー・ゲンスラー委員長は、取引所の再定義を検討することを発表した。SECは、特定のブローカーを新たに規制下に置き、分散型アプリケーションを明示的に含めることを目指している。

4月17日、SECは、仮想通貨資産取引プラットフォームのビットレックスと元CEOのウィリアム・シハラ氏を、未登録の証券取引所、ブローカー、清算機関として運営したとして告発した。これとは別で、ビットレックス・グローバルは、ビットレックスと共有のオーダーブックを運用していたとして告発されている。

ビットレックスはすでに、3月に規制当局からの警告であるウェルズ・ノーティスを受け取ったことを受け、4月30日に米国での事業を閉鎖する意向を表明していた。

米国以外の規制環境には好材料も

香港の規制環境は大きく改善したようにみえる。中国の国営銀行である中国交通銀行が仮想通貨企業と取引を模索するようにまでなっている。中国のインターネット保険会社傘下の香港最大のバーチャル銀行であるZAバンクも、一部の仮想通貨企業の決済銀行となる予定だ。

4月12日、アルゼンチンの証券監督機関は、ビットコインベースの先物指数を承認した。承認されたデリバティブ契約は、資格のある投資家に安全で規制された方法でBTCに投資する機会を提供することになる。取引はすべて国内の法定通貨で決済され、トレーダーは銀行振込でアルゼンチンペソを預け入れる必要がある。

次にプロのトレーダーがどのようにポジションを取っているかを理解するために、オプション市場を分析する必要がある。

オプショントレーダーはやや弱気に傾く

トレーダーは、コール（買い）オプションやプット（売り）オプションのどちらにより多くの活動が行われているかを測定することで、市場のセンチメントを測ることができる。一般的に言って、コールオプションは強気な戦略に、プットオプションは弱気な戦略に使用される。

プット・コール・レシオが0.70であることは、プットオプションの建玉がコールオプションの数に比べて少ないことを示している。一方、1.40の指標はプットオプションを優勢であることになり、弱気のサインだ。

4月5日以降、ビットコインのプット・コール・レシオは、バランスが取れているか、プットオプションを優勢となっている。現在の0.60という数値は、ら弱気なオプション戦略に対する需要がやや高いことを示しているが、特異な数値というほどではない。

次に、トレーダーが実際に弱気になったかどうかを確認するために、ビットコイン先物市場も分析する必要がある。

ビットコイン先物指標は中立から弱気のまま

ビットコインの四半期先物は、クジラ（大口投資家）やアービトラージ（裁定取引）デスクに人気がある。これらの固定月契約は通常、スポット市場よりもわずかにプレミアム価格で取引され、売り手はより長い期間決済を延期するためにより多くの資金を求めていることを示すものだ。

その結果、健全な市場の先物契約は、5％から10％の年率プレミアムで取引されることになる。これはコンタンゴと呼ばれる状況であり、暗号資産市場だけでなく一般的な市場でも見られるものだ。

チャートは過去2週間、トレーダーが中立から弱気であることを示しており、ベーシス指標が2.4％から4.3％の間で変動している。このデータは驚くべきことではないだろう。なぜなら、ビットコイン価格は69,000ドルの最高値から56％下回っているからだ。

ビットコインの証拠金および先物市場は、中立から弱気のセンチメントを反映しているが、過度なものではない。強気な戦略に対する需要の減少は、3月11日以降のビットコイン価格の50％上昇を反映していると考えられる。

ただし、規制強化の動きにより、個人投資家や機関投資家の需要が減少することをトレーダーは懸念している。そのため、規制に対する不安が払しょくされない限り、ビットコインが31,000ドルを超える確率は低いままだろう。

翻訳・編集　コインテレグラフジャパン

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自分でリサーチを行って決定してください。.