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一目均衡表とストキャスティクスの関係を考える

NASDAQ:TLT   Ishares 20+ Year Treasury Bond ETF
こんにちは。気づけば2022年ももう大晦日ですね。
今年は生き残るだけでも大変な一年だったと思います。
なのでここを見ているみなさんは修羅場をくぐりぬけてきた強者と思います。面構えが違う(笑
今年もおつかれさまでした。年末のひまつぶしにでも見ていってください。

さて、今回は一目均衡表とストキャスティクスの関係を考えてみたいと思います。
これまでに、一目均衡表とMACDやRSIとの関係を考えてみました。わかったのは以下のようなことです。
・ローソク足が基準線と上抜けするときと、RSIが50%を上抜けするがだいたい同じ。
・ローソク足が先行スパン1をクロスするときと、MACDがプラス(MACD線が0より上)になるときがだいたい同じ。
詳しくは過去のアイデア投稿をごらんください。 

ストキャスティクスはMACDやRSIと並んでよく知られているテクニカル指標です。
この指標は、過去14日間の値幅のうち、現在どの位置にいるかを示したものです。
通常は、この値をスムージングするために期間3の移動平均をとりslow%Kとし、さらに期間3の移動平均をとり %Dとします。

ストキャスティクスのこの考え方は、一目均衡表の基本である半値(中間値)とかなり親和性が高いものです。
なぜなら、一目均衡表も一定期間の値幅を重視しているからです。一目均衡表では値幅は実際には表示されませんが、
転換線と基準線はそれぞれ過去9日間(期間9)の値幅の半値、過去26日間(期間26)の値幅の半値を示したものです。
つまり、転換線は期間を9に設定したストキャスティクスのfast%K(9, 1)の50%を示したものであり、
基準線は期間を26に設定したストキャスティクスのfast%K(26, 1)の50%を示したもの、ということができます。

上に示しているチャートでは、米国債20年超ETF $TLT とその一目均衡表、
その下に一目均衡表の基準線と転換線を使った自作のオシレーター(%)、
一番下が期間を26に設定したストキャスティクス(26, 1, 3)です。
基準線とローソク足がクロスしたところに垂直線を入れています。
これをみると、基準線を使ったオシレーター(赤色)と期間を26に設定したストキャスティクスがまったく同じ動きを
していることがわかります。

一目均衡表では、基準線を上抜けしたら買い、基準線を下抜けしたら売り、というのはよく知られた売買手法と思います。
今回の話を重ねると、この手法は期間を26に設定したストキャスティクスが50%を超えたら買い、50%を切ったら売るのと
同じ意味ということがわかります。

この売買手法によく似たものに、ストキャスティクス・ポップがあります。ストキャスティクスを使って順張りでトレンドに
乗っていくものです。たとえばストキャスティクスが60を超えたら買い、60より上にある間はもちつづけ、60を切ったら手仕舞うものです。
今回のことを踏まえると、期間を長めに設定したストキャスティクス・ポップも可能かもしれません。

というわけで、今回示した基準線と転換線のオシレーターは、短期(9)と長期(26)のストキャスティクスを表示しているのと
同じことになります。2本のオシレーターを使うと、押し目買いや戻り売りがやりやすくなります。
たとえば長期のfast%K(赤)が50%より上にある状態で、短期のfast%K(青)が50%よりも下にある場合には、
押し目買いを検討できるということになります。
一目均衡表をみればわかることでもあるのですが、このオシレーターを使うとより精度の高い売買ができると思います。

このことを反対に考えると、デフォルト設定(14)のストキャスティクスのfast%Kの50%をローソク足チャートに表示させることも
できます。つまり、期間を14に設定した半値線を引くことになります。
たとえばドンチャンチャネルを使って、期間を14に設定すればよいわけです。

これまでのことを併せて考えてみると、ローソク足が基準線を超えるときというのは、
RSIが50を超え、さらに期間26のストキャスティクスのfast%Kが50%を超えていることを意味しています。
また、MACDがプラスになるときと、ローソク足が先行スパン1を超えるときがだいたい同じなので、
ローソク足が雲より上にあるときはMACDがプラス(0より上)になっていると思って良いと思います。

つまり、ローソク足が雲より上にある状態で、基準線を上抜けしたときに買っていく手法は、
RSI、MACD、ストキャスティクスから見ても、かなり合理的なやり方といえると思います。

こうしてみると、一目均衡表はやはりとても優秀なテクニカル指標だと感じますね。
それではよいお年を。
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